仮面かぶった子どもたちが厄払い 宮古島市上野野原の「サティパロウ」 ユネスコ無形文化遺産に登録


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仮面をかぶった来訪神・パーントゥを先頭に集落を練り歩いて厄払いする「サティパロウ」の一行=23日、宮古島市上野野原

 【宮古島】ユネスコ無形文化遺産に登録された宮古島市上野野原の伝統祭祀(さいし)「サティパロウ(里祓い)」が23日、野原集落で行われた。木彫りの仮面をかぶった来訪神・パーントゥに扮(ふん)した男の子が先頭に立ち、ほら貝や太鼓を鳴らす子どもたちや、頭と腰につる草を巻き付けた女性たちが集落内を練り歩いて厄払いをした。

 午後6時すぎ、太鼓とほら貝の音に合わせて参加者たちが一斉に歩き出した。十字路では、パーントゥと子どもたちを女性が囲み、「ホーイホイ」と声を上げながら手に持ったツサギー(ヤブニッケイ)で厄を払った。

 パーントゥに扮した砂川来輝(らいき)さん(9)=上野小3年=は「初めてのことだったけど楽しかったので、また来年もみんなで歩きたい」とはにかんだ。

 サティパロウは毎年旧暦12月最後の丑(うし)の日に行われる。パーントゥはお化けや鬼神を意味する言葉で、海のかなたからの来訪神の意もある。2018年11月に伝統行事「来訪神 仮面・仮装の神々」として、島尻の「パーントゥプナハ」とともにユネスコ無形文化遺産に登録された。