「陸に戻れないのはよほどのことだろう」 米軍ヘリ本島沖墜落に県から憤りの声


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 米軍のMH60ヘリコプターが沖縄本島東の海上に墜落する事故を受け、玉城デニー知事は25日、県庁の関係部局に情報収集を指示した。県幹部からは「何度同じことを繰り返すのか」「陸に戻れなかったということはよほどのことだったのだろう」など、一歩間違えば深刻な事態になりかねない事故に対し不安と憤りの声が上がった。

MH60ヘリコプター(資料写真)

 富川盛武副知事は、事故の一報を受け「すぐに担当課に状況を確認したい」と述べた。玉城知事は「詳細について早急に確認した後、連絡するよう基地対策課に指示を出している」と説明した。

 県は米軍機の事故が発生するたびに米軍に対し原因究明と再発防止策の徹底を求めており、県幹部の一人は「またか、という思いだ。何度同じことを繰り返すのか。米軍全体で機体の老朽化が進んでいると聞くので事故は不思議ではない」とため息をついた。

 その上で「(25日に始まった)米軍と自衛隊の共同訓練と関係ないということはあり得ないだろう。それなら訓練内容をきちんと明らかにするべきだ」と語った。

 県基地対策課の溜政仁課長は「なぜ自衛隊情報が先立ったのかなど不明な点が多い。すぐ沖縄防衛局にも問い合わせたが、当面は情報収集に当たる」と述べた。