戦争でバラバラになった幼なじみに会いたい 宮里ジロウさん、平良達子さんを捜しています 


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
沖縄戦で生き別れた幼なじみを捜している加藤初子さん(左)と夫の宗雄さん(中央)、次女の幸江さん=27日、那覇市内

 沖縄県那覇市垣花町出身の加藤(旧姓安次嶺)初子さん(89)=大阪府寝屋川市在住=が、戦時中に生き別れた幼なじみを捜すために来県している。捜しているのは同い年か少し年上だったという「宮里ジロウさん」と同級生の「平良達子さん」「渡慶次菊子さん」。26日に垣花町出身者の生年祝い・米寿祝いに参加したところ、渡慶次さんの情報は得たが、残り2人の消息は分かっていない。

幼い頃の加藤初子さん(中央)と幼なじみの渡慶次菊子さん、平良達子さん(加藤さん提供)

 初子さんによると、宮里さんは隣に住み「兄さんのような存在」。特攻隊へ志願したが、戦後、生還したと聞いた。渡慶次さんと平良さんについては「トイレに行くのも3人一緒だった。私の家で夜遅くまで遊んで親に怒られた」と振り返る。渡慶次さんと平良さんは1944年の10・10空襲前日に会ったのが最後だ。

 10・10空襲で家を失った初子さんの家族は焼け残った垣花町内の親戚宅に身を寄せた。45年2~3月ごろに家族で大分県へ疎開した。その後、宮崎県を経て大阪府へ移り住んだ。

 1~2年ほど前、次女の幸江さん(56)が沖縄民謡を歌った時にふと幼なじみのことを思い出した。今回、親戚との再会や幼なじみ捜しのため、約10年ぶりに来県した。29日まで沖縄本島に滞在する。「これが沖縄に帰る最後の機会かもしれない」と再会を願っている。情報は琉球新報社会部☎098(865)5158まで。