豚熱、全農場に餌の食品残さの加熱指導へ 沖縄県が感染防止で基準の徹底化進める


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豚熱の説明会に参加する養豚団体や飼料会社などの関係者ら=27日、那覇市古波蔵の沖縄畜産振興支援センター

 県農林水産部は27日、養豚関係団体や飼料会社などを対象に、豚熱(CSF、豚コレラ)に関する説明会を那覇市古波蔵の沖縄畜産振興支援センターで開いた。国の疫学調査で食品残さ(残飯)の非加熱が感染の原因になったことが指摘されており、県は2月14日までに食品残さを豚に与える全農場に立ち入り、加熱指導を行うことを説明した。説明会には養豚業に携わる関係者約40人が参加した。県は豚熱発生を受けたこれまでの防疫対策などを説明し、感染拡大防止のため農場の飼養衛生管理基準の徹底を強調した。

 県は24日に終了した1回目の確認検査で、発生農場から10キロ圏内にある対象70農場全てで陰性だったことを報告した。仲村敏畜産課長は「防疫対策で第一段階を終了した」と話し、今後の対応などを確認した。

 意見交換では、獣医団体の代表者から「現状の検査状況では新たな発生がなく、封じ込めができている」として、ワクチン接種の必要性を改めて慎重に検討すべきではないかという意見が出た。これに対し県側は、農家の飼養衛生管理基準の徹底だけで新たな感染を防げないことや、野生イノシシによる感染リスクも否定できないことから、実施の方針に変更はないとした。

 一方で、ワクチンの初回接種で県外から獣医師(家畜防疫員)の応援を要請しているが、2回目以降は県内の獣医師で行う必要があり、県は接種開始後の課題として県内の獣医師不足を課題に挙げた。