首里城正殿など主要6棟が全焼した火災で、沖縄県警捜査第1課は29日、電気系統設備が集中し火元として有力視されてきた正殿北東から収集した配線のような物を県警科学捜査研究所で鑑定したが、出火原因は特定できなかったと発表した。関係者への事情聴取や防犯カメラの分析などから放火など第三者の犯罪事実は確認できなかった。首里城公園の指定管理者である沖縄美ら島財団など関係者らも刑事法令に該当する事実も確認できなかったとした。31日の火災発生3カ月を前にして、捜査を終了した。
捜査1課によると、配線のような物は46個あり、科捜研で鑑定した。周辺の火災熱によって配線の銅線が切れ、断面部が溶けて球形状の塊ができる溶融痕とみられる物は確認できたが、火災原因につながるショート痕とは断定できなかった。【琉球新報電子版】