社会

09年の新型インフル、沖縄は国内初の流行地に 爆発的に感染が広がったわけは県民特有のあの生活習慣が…

ウイルス対策でマスクを装着し歩く外国人観光客=那覇市久茂地の国際通り

 中国湖北省武漢市で発生し、国内でも感染が確認された新型コロナウイルス。30日までに武漢市の滞在歴がない人が国内で感染したことが判明した。人から人に感染したとみられ、今後国内での感染拡大や県内発生の可能性も高まってきた。沖縄は2009年に新型インフルエンザの急激な感染拡大で住民や救急医療が混乱する事態を経験した。新型コロナウイルス流行への対応は当時の教訓に学び、地域の医療機関が連携して患者受け入れ体制を構築できるかが鍵を握る。

 「県内でも感染が広がる可能性が出てきた。流行を想定し動く必要がある」。糸数公県保健衛生統括監は国内感染が確認されたことに危機感をあらわにする。現在は主に武漢市への渡航歴があり症状を有する人が検査対象になっているが、国内感染が広がれば国内の感染地域からの流入も警戒する必要があるためだ。

 09年にメキシコで発生し世界に感染が拡大した新型インフルエンザは、神戸での発生を皮切りに国内各地で確認された。県内は44番目の発生地域だったが、約1週間後に増え始め、1カ月後には全数把握ができない事態に悪化し、国内最初の流行地となった。この時点では国の方針を受け、全ての医療機関で診療できる体制だったが患者は救急病院に殺到。重症者も多発し、医療スタッフも感染するなど緊張状態に陥り、救急医療現場で「パンデミックが起きてしまった」(糸数統括監)。

 一方、患者急増の背景には県民の生活習慣もあった。疫学調査で合唱コンクールや中体連の試合会場、居酒屋、カラオケ店などが感染拡大の場になっていたことが判明。発症者が安静にしなかったことが、増加を引き起こした可能性があるという。さらに発生初期に実数把握のため病院への事前電話を呼び掛けたことも、流行期には医療現場の繁忙を招き裏目となった。

 新型コロナウイルスも流行期になると、軽症者の感染判定は難しくなる。県立中部病院感染症内科・地域ケア科の高山義浩医師は「流行期に入ると封じ込めのための入院措置も必要なくなる。発生早期と流行期の医療体制はがらりと変わる。軽症者は疑いがあってもすぐに検査はできず対症療法しかない。重症者やハイリスク者をどう守るか、命を救う目的を重視することを分かってほしい。パンクしないような体制づくりが必要になる」と話した。

 新型インフルエンザの流行時は、応援医師の派遣や看護協会員による相談受け付けなどで打開を図った一方、かかりつけ医への誘導は低調だった。今回の新型コロナウイルスも同じ傾向が予想される。流行が本格化した場合には、かかりつけ医への外来振り分けが課題となりそうだ。  (謝花史哲)



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