那覇で13人が下船 新型肺炎に感染した男性が乗っていたクルーズ船 


この記事を書いた人 アバター画像 桑原 晶子

 クルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客で香港に戻った男性(80)が新型コロナウイルスに感染したことが確認された問題で、同船の乗客のうち13人が那覇で下船していたことが3日、那覇検疫所などへの取材で分かった。

 13人が感染者男性と濃厚接触した可能性や現在の所在などについて那覇検疫所の担当者は回答を控え、調査は「厚労省の指示に基づき粛々と進めていく」と述べた。那覇は感染者男性が香港で下船した後の寄港地で、男性は那覇に立ち寄っていない。

 県立中部病院感染症内科の椎木創一医師は「船の中でどの程度の暴露があったか分からないと感染リスクの評価は難しい」とした上で、これまでの疫学データから「感染にはある程度近距離で何らかの飛沫(ひまつ)や接触が起こり得るシチュエーションが必要」と指摘。巨大な船の中という環境下で13人に発症がない限り「現時点でリスクは低いと考える」と分析した。

 那覇検疫所によると、一時下船した乗客にサーモグラフィーの体温測定で異常がある人はいなかったが、検疫官が目視でせきをした人は健康相談を実施したという。その後、那覇から横浜へは2679人が乗船。同所は那覇で下船した13人の乗船時期についても回答を控えた。