中国人客のキャンセル1万人以上、春節の売り上げ一割減… 新型肺炎、県経済に直撃


この記事を書いた人 アバター画像 高良 利香

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い春節(旧正月)期間中に中国人団体客のキャンセルが相次いだ影響で、県内観光施設やホテルでは前年を下回る稼働状況となった。小売業では例年の春節期間に比べて免税売り上げが1割減になったとする企業もある。今後も外国人観光客の回復のめどが立たないことに不安が広がるとともに、旅行マインドの低下から国内客の減少にもつながっていくことを懸念する声も上がる。

 全国旅行業協会県支部の集計で、県内旅行社26社の中国人客キャンセルは団体客が1万694人、個人客が163人となった。

 県ホテル協会の県内23ホテルの集計では3月末までに中国人の団体客だけで8683人、延べ泊数にして1万3121人泊が取りやめになる影響が出ている。

 県ホテル協会の當山智士会長は「国内の個人客からもキャンセルの問い合わせがくる傾向がある。沈静化が見えない中、影響を懸念している」と話した。

 国交省港湾局危機管理室によると、中国政府が団体客を規制した1月27日以降、2月2日までに県内の港に寄港予定だったクルーズ船のうち予約ベースで6隻が寄港の中止や乗客なしの寄港を実施した。

 玉泉洞などの観光施設を運営するおきなわワールド(南城市)では、2月下旬までの中国人団体客約千人分の予約が全てキャンセルとなった。昨年から落ち込みが続く韓国客も8割減となり、春節期の売り上げ減に追い打ちをかけた。

 担当者は「3月の那覇空港の滑走路オープンに期待しているが、それまでに収束するか不安だ」と心配した様子だった。