「在庫切れで販売できない」 医療現場でマスク不足が深刻 注文殺到、製造追い付かず


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 新型コロナウイルスの感染が広がる中、感染予防のためのマスクも不足がちになっている。

 マスクを納入する卸業者には県内の医療機関から注文が殺到。需要の急拡大でメーカーの製造が追い付かず、追加注文が難しい状況に陥る業者も出始めている。

 県医師会によると、医療機関からマスク不足を指摘する声が上がり始めている。県に、マスクの供給態勢を強化するよう要望する医療機関もあるという。

 県内で50以上の病院やクリニックと取引があるという医療機器関連の商社によると、新型コロナウイルスの感染拡大が報じられるようになった1月下旬ごろからマスクの注文が急増しているという。

 同社の担当者は「注文量は平時の2~4倍。入荷ができなければ、あと1週間で在庫切れになる状況だ」と頭を抱える。現在、仕入れ先の県外メーカーに仕入れ量を増やすよう要請している。

 本島中部の医療機器販売会社でも先月下旬ごろから注文が殺到し、「在庫切れで、注文を受け付けても販売ができない状況」(同担当者)だという。

 那覇市内でクリニックを営む医師は、今月4日にマスクを注文した際、卸業者側から「在庫がないため次の注文は受けられない」と通知されたという。