「スピード感持って執行を」 高水準予算に経済界が歓迎


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 県は5日、2020年度一般会計当初予算案を決定した。県内経済界からは、2年連続の増額で過去2番目の高水準となったことを歓迎する声が上がった。豚熱の発生や、新型コロナウイルス感染に伴う中国客の減少など、沖縄経済が厳しい局面にあることから、県のリーダーシップ発揮を期待する意見も多かった。

 県商工会議所連合会の石嶺伝一郎会長は、当初予算案が前年度比2・2%増となったことを歓迎し「スピード感を持って着実に執行してほしい」と求めた。

 県経営者協会の金城克也会長は「新年度予算を有効的に活用し、県経済のさらなる成長、県民生活の向上に取り組んでもらいたい」とコメントした。

 JA沖縄中央会の大城勉会長は、家畜伝染病予防事業が拡大したことに「経営再建支援や十分な予防対策を期待している」と話した。在庫を抱える県産黒糖の販路拡大に向けた新規事業を評価し「工場の経営も厳しいため早急な対策が必要だ」と指摘する。

 県建設業協会の下地米蔵会長は「地域の建設会社が安定した経営をして、若手社員を育てていける環境をつくってほしい」と願った。

 観光関係予算は減額されたため、沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「観光振興にとって厳しいが、限られた予算をどう活用するか、業界の意見を聞いて提案したい」と話した。那覇空港の第2滑走路利用開始など、今後は大きなイベントが予定されているため、「沖縄観光にとって大事な1年になる。短期的には韓国客の減少や新型コロナウイルスの影響への対策、中長期的には観光の質を上げるのが課題だ」と強調した。

 県商工会連合会の米須義明会長は予算の増額を評価し「悪いニュースが続いているが、中小企業への影響が最小限になるように取り組んでもらいたい」と要望した。

 県中小企業団体中央会の島袋武会長は、人手不足や後継者不在問題に直面する中小企業の課題を指摘。「新型コロナウイルスなどで経済に悪影響が出ると、中小企業に追い打ちとなる。十分配慮をした予算執行を期待したい」と訴えた。