JAおきなわ、30店舗を廃止へ 21年までに完了 人手不足深刻、不採算店舗中心に経費削減


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 JAおきなわ(普天間朝重理事長)が県内の支店や生産資材店舗など102店舗を、72店舗に統廃合する再編計画を検討していることが6日、複数の関係者への取材で分かった。各店舗で人手不足が深刻化しているほか、採算が取れていない店舗を中心に廃止することで経費の削減を図る。2021年までの統廃合完了を予定する。廃止された店舗は規模の大きい基幹支店に統合され、信用、共済、生産資材の販売などの機能を集約する。

 廃止される店舗数は北部地区で5店舗、中部地区で16店舗、南部地区で8店舗、八重山地区で1店舗の計30店舗となっている。店舗の廃止後は各地区に「移動金融店舗車」を1台配置する。入金や出金など各種の金融取引ができる車両で、支店跡地や公民館、商業施設などを週に複数回のペースで巡回する。大宜味支店や本部支店など6支店は「よりそいプラザ」として、組合員や利用者の交流の場とする。現金自動預払機(ATM)も設ける。

 JAおきなわは2002年に県内27農協が合併し、県単一農協として誕生した。農業事業を筆頭に、信用、共済、生活事業などの総合事業を展開し、地域に密着しながら住民の生活を支えてきた。これまでも店舗の統廃合を繰り返してきたが、30店舗規模の大型の再編は初めて。

 関係者は「生産資材店舗は地域によって利用者数や売り上げが異なる」と話し、赤字店舗の継続した運営の厳しさを説明する。店舗の統廃合で店舗運営にかかる費用を削減する。JAおきなわの幹部は本紙の取材に対し「組織決定はしていない」と説明した。20日に開かれるJAおきなわの経営管理委員会で統廃合案を最終決定し、同日に再編後の新たな体制を発表する。
 (石井恵理菜、岩切美穂)