パラオと沖縄が絆深化へ 大統領補佐官、県に協議要請 海ぶどう養殖で技術協力求める


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玉城デニー知事と沖縄とパラオの交流について話し合ったパラオのエルデベエル大統領首席補佐官(中央)=6日、県庁

 パラオのセシル・エルデベエル大統領首席補佐官が6日、県庁に玉城デニー知事を訪ねた。エルデベエル首席補佐官はパラオと沖縄との間で相互に有益な関係を築いていくため、人的交流、小型機の直行便就航、多岐の分野にわたる技術協力の探求など4項目について協議を深めたいとの考えを伝えた。

 県とパラオとの間では、さまざまな分野で経済交流や技術協力などを盛り込んだMOU(覚書)を次年度中に締結する方向で調整が進んでいる。エルデベエル首席補佐官は、昨年11月に県の招きで来県したマルーグ国務相の書簡を玉城知事に手交した。書簡では、知事との意見交換の中でさらに協議を進めたい事項として(1)人的・教育的な交流を通じて、先祖の絆と関係を再確立(2)パラオ領事事務所を県内に設置し、パラオ名誉領事を任命(3)沖縄とパラオ間の直行便の就航(4)漁業、農業、海洋養殖、観光、貿易と経済などにおける潜在的な2地域の技術的な関係と協力の探求―をすることを挙げた。

 玉城知事は沖縄とパラオの関係が深まることを歓迎した上で「あまり時間をかけずに、締結に向けて細かい議論をしたい」と述べ、3月に富川盛武副知事をパラオに派遣する考えを伝えた。自らもMOU締結の際にはパラオを訪問する意向を示した。県水産課によると水産分野ではパヤオ整備や海ブドウ養殖などに係る技術協力を県に要請した。