中国からの乗客に質問票を義務付け 那覇検疫所 クルーズ船対策を強化


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那覇検疫所がクルーズ船客に回答を義務付ける質問票

 新型コロナウイルスの感染が中国で拡大していることを受け、那覇検疫所は7日から香港やマカオを含む中国本土から来航するクルーズ船への検疫を強化する。口頭による健康状態の確認に代えて、全ての乗員・乗客に質問票への回答を義務付け、乗客全員の検疫が終わるまで一人も下船させない措置を取る。検疫終了まで船内に待機させる対策は県内では初めて。

 質問票は過去14日以内の中国湖北省への滞在歴や発熱、せき、倦怠感(けんたいかん)などの有無、氏名や国籍などの記入を求める内容。虚偽申告には検疫法の罰則規定があることも説明している。感染の可能性がある乗客がいた場合にはその都度、厚生労働省と相談し、乗客全員の下船を認めるかどうかや日本人乗客への個別対応などについて判断するという。

 那覇検疫所の垣本和宏所長は取材に「これだけ多くのクルーズ船が入ってきている。沖縄はリスクが高いと思う」と見解を述べた。検疫に時間を割くことで乗客の観光に影響が出る可能性は否定できないとしながら、「厳しい対応だが安心のために実施したい」と話した。

 同所は那覇港湾合同庁舎で6日、臨時の検疫感染症等対策協議会海港実務担当者連絡会を開き、対策強化について説明した。