沖縄の景気77ヵ月拡大 日銀2月概況 新型肺炎影響も


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 日本銀行那覇支店(桑原康二支店長)は7日、2月の県内金融経済概況(主要指標は2019年12月)を発表した。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で観光客が減少していることなどを踏まえ、「新型肺炎などの影響等がみられているが」という文言を追加したが、基調判断は77カ月連続で「全体として拡大している」とした。

 新型肺炎以外にも日韓関係悪化による韓国客減少、消費増税前の駆け込み需要の反動減、豚熱(CSF)の発生など、観光や個人消費へのマイナス要素が出てきている。桑原支店長は「足元の経済活動に少なからず影響を与えている。景気拡大のペースは大幅に鈍化している」と指摘した。

 一方で、現状で給与の引き下げや雇用削減などは顕著に表れていないとして、「所得から支出につながる前向きな循環メカニズムは現時点では崩れていない」と基調判断を維持した。

 【個人消費】耐久消費財は消費増税の駆け込み需要の反動減が続き、家電大型専門店の販売額は前年同月比8・6%減となった。暖冬で冬物衣料や食材の動きも鈍かった。

 【観光】主要ホテル客室稼働率は同5・1ポイント低下し64・5%となった。リゾートは新規開業による競合激化もあり、58・8%と12年12月以来7年ぶりに6割を下回った。聞き取りでは、新型肺炎により国内客でも移動や旅行を控える動きも出ているという。

 【公共投資・設備投資・住宅投資】新設住宅着工戸数は同17・5%減と貸家を中心に弱めの動きだった。