浦添 全国切符奪う 女子那覇西、決勝へ進出 九州高校選抜ハンド


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 ハンドボールの全国選抜出場を懸けた第48回九州高校選抜大会は8日、県立武道館などで行い、女子1位トーナメント準決勝で那覇西が25―17で国分中央(鹿児島1位)を下し、9日の決勝進出を決めた。2位トーナメントを勝ち上がった女子浦添は、代表枠を懸けて1位トーナメントで2敗していた西南学院(福岡1位)と戦い、22―19で競り勝って5位となり、全国選抜の切符を手にした。男子1位トーナメントの興南は、1敗同士の熊本国府に42―27で快勝した。9日に代表枠を懸けて鹿児島工(鹿児島2位)と対戦する。2位トーナメントのコザは2回戦で九州産業(福岡2位)に31―32で敗れた。

2位トーナメント2回戦 浦添―明光学園 後半、素早い動きでディフェンスをかわし、ゴールを決める浦添の東江莉佳=8日、県立武道館(大城直也撮影)

 全国選抜への出場権が懸かった西南学園(福岡1位)との試合は終始接戦だったが、最後の最後で浦添の団結力が上回った。

 20―19で残り約30秒、上原悠が西南学園の守備へ切り込んだ。シュートフェイントからもう一歩踏み込む。相手守備に両方から挟まれたが「仲間を絶対に全国に連れて行きたい」と腕一本でゴールを決めた。逆速攻を受ければ同点の場面だが、「怖さよりも勝ちたい気持ちが上回った」と、2点差のリードで勝利を決定づけた。

 「仲間」とは膝の前十字靱帯(じんたい)を損傷し、リハビリ中の比嘉桃子と糸満柚歩の主力2人。池原果音や東江莉佳のフローター陣で話し合い「絶対に全国で復帰させる」と決めていた。

 序盤から守備裏を走られ、攻撃はタフなシュートが連発。負ける不安も高まったが勝負どころだけは逃さなかった。1点を争う最終盤に逆速攻の戻りでボールを奪うと、新垣裕未の2連続得点で20―19と逆転。上原の一発に続き、大声援のカウントダウンの中、池原がパワープレーで22点目を奪った。

 強敵ひしめく組み合わせだったが「大きな試練を乗り越えた」と神谷綱史監督。涙で目を赤くした池原は「全国までに鍛えて、全員で最高のプレーをします」と声を弾ませた。

(嘉陽拓也)