サンゴ移植を沖縄県に勧告 国が許可要求、県は拒否 辺野古新基地


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、江藤拓農林水産相は10日までに、沖縄防衛局が申請しているサンゴ類の移植を許可するよう県に勧告した。県がサンゴの移植許可の判断を保留していることについて「違法だ」と主張している。県は10日、違法性はないとして従わない旨を回答した。政府は今後、拘束力のある是正指示を行い、提訴も含めた法的措置を検討するとみられる。

 勧告は1月31日付で、2月10日までに許可するよう求めている。対象は大浦湾側に生息している約3万9590群体。うち約3万8760群体は昨年4月、残り約830群体は同7月に防衛局が県へ申請した。防衛局による昨年の4月と7月の申請は3度目で、それぞれ過去に2度、不許可となっている。

 県は埋め立て承認の適法性を巡る裁判が続いていることを理由に、辺野古新基地建設に関連する各種申請への判断を保留している。回答書で「(農水相が求めた10日までに)許可処分を行う考えはない」と拒んだ。謝花喜一郎副知事は10日、本紙の取材に「(サンゴの移植許可申請に)何もやらないとは言っていない」と語った。