「日本を代表する文化として発信」 沖縄芸能が東京五輪公式行事に 関係者ら喜びに沸く


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(左から)仲松健雄氏、稲嶺恵一氏、宮城能鳳さん、喜納昌吉さん

 東京オリンピック・パラリンピックの公式行事として、五輪組織委員会が共催する文化プログラムとして「沖縄芸能フェスティバル」が正式発表されたことに、関係者は喜びの声を上げた。

 東京沖縄県人会がつくる実行委員会は2015年から構想を温め、県が五輪組織委に推薦していた。同県人会の仲松健雄会長は「構想から4年、企画と準備に2年をかけた沖縄芸能フェスが五輪文化催事に採択されたことは大きな喜びだ。日本を代表する文化として世界に発信する価値があると評価された。伝統芸能や沖縄ポップス、現代版組踊を国内外に発信し、沖縄芸能の素晴らしさをアピールしたい」と喜びを表した。

 東京五輪関連催事での沖縄芸能の採用を巡っては、稲嶺恵一元知事を名誉顧問に人間国宝らを含めた実行委員会が18年11月に発足し、琉球新報社に事務局を置いて活動してきた。開閉会式などでの沖縄芸能採用を菅義偉官房長官や五輪組織委に働き掛けてきた。

 稲嶺氏は「世界が注目する東京五輪で、沖縄芸能が公式文化催事に決まり大変うれしい。運動の成果でもある。沖縄芸能界にとって、誇るべき芸能を世界の多くの方に見てもらう夢が果たせる。世界中のウチナーンチュにも大きな希望を与える」と評価した。

 芸能フェスに出演する人間国宝の宮城能鳳さん(81)は「沖縄の伝統芸能を発信でき、とても光栄だ。琉球舞踊の魅力や素晴らしさを全世界、国民に発信したい」と意気込んだ。

 歌手の喜納昌吉さん(71)は1996年のアトランタ五輪の文化プログラムにアジア代表として出演し、『ハイサイおじさん』や『花』などの楽曲を披露した。「アトランタでの経験を生かせる。五輪は平和の祭典でもあり、今まで一貫して伝えてきた非戦のメッセージを多くの人に向けて伝えたい」と力を込めた。

 「沖縄芸能フェスティバル」は5月10日、豊島区立芸術文化劇場(東京建物ブリリアホール)で昼、夜2回公演で催される。入場券は(1)東京沖縄県人会ホームページ(2)全国のファミリーマートFamiポート(3)としまチケットセンター―で購入できる。