中城御殿の整備を求める見解も 首里城識者懇 復興事業地域を検討


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 県は13日、首里城復興基本方針に関する有識者懇談会(会長・下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長)の第2回会合を那覇市の首里城公園内にある首里杜館で開いた。首里城復興に伴う事業の対象エリアや琉球文化の復興、伝統技術の継承などを議論した。復興事業の対象エリアは県が1986年に首里城公園整備計画調査で区域を設定した「首里杜構想」を基本に検討を進めるべきだとの意見が大勢を占めた。

 非公開の会議後、下地会長と県の前原正人秘書防災統括監が報道陣へ内容を説明した。首里杜構想の中で、課題となっている県営区域の中城御殿や円覚寺などの整備も進めるべきだとの見解が示された。

 琉球文化の復興では委員から「首里城から新たな文化を創る気概が必要だ」との指摘が出たという。伝統技術の継承では「伝統技術をビジネスにつなげながら発展させていく必要がある」との見方も示された。

 一般公開を求める声が上がる首里城の地下にある日本軍の第32軍司令部壕について、県は、過去の調査を基に安全確保の観点から「一般公開は困難な状況」と各委員へ説明した。これに対し、委員からは「科学的な調査が行われているなら納得せざるを得ない。しかし、全体ではなく、トーチカなども含めて特定の所を一般へ見せることができないか」との意見が出た。県の前原秘書防災統括監は「持ち帰って担当部局へ伝え、どのような形で応えていくか検討し、次回の懇談会で報告したい」と説明した。

 同懇談会は3月中に第3回と第4回の会合を開いた上で基本方針を決定する。