新型コロナウイルス感染、どう防ぐ? 今知りたい注意点 手洗い、マスク以外にも


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 「パニックになるより、今の自らの生活を見直すことが大事だ」。県内初の新型コロナウイルス確認を受け、県立中部病院感染症内科の成田雅医師はこう強調する。

 新型コロナウイルスは、くしゃみやせきなどによる飛沫(ひまつ)感染やウイルスが付着した物などを触れた手で口や鼻、目を触って起きる接触感染で広がっているとみられている。手洗いやせきエチケットなどにより「うつらない、うつさない」ことが感染を最小限に食い止める手だてとなる。

 手洗いはせっけんと流水で十分に行う。成田医師は「ハッピーバースデートゥーユーを2回歌うくらいの長さ」と話す。マスクも予防のため多く利用しているが、医療関係者らは「信頼しすぎないことが大切だ」と指摘する。一定の予防効果はあるものの、マスクの表面を手で触るなど正しく使えないとかえって危険性を高めてしまうという。「マスクはせきエチケットの一部。感染し、せきがある時に着用するものと考えてほしい」と助言。マスク不足にも冷静な対応が求められる。

 中国での死者数が千人を超えたことが注目されるが、軽症者が圧倒的に多い。成田医師は重症化しないよう「日頃の生活習慣病コントロールが欠かせない」と強調する。高血圧の人は毎日の血圧チェックや塩分過多の食事を避けること、糖尿病を抱える人は食事の内容を見直すなど「自らの生活を見直し、気付きをかかりつけ医と共有してほしい」と話した。

 インフルエンザワクチンの接種や高齢者の肺炎球菌ワクチン接種も、病院に行く機会を減らすことになる。不要不急の病院利用をなくすことで、院内感染のリスクや救急医療の混乱を防ぐことになる。

 成田医師は「沖縄の医療の機能不全を防がなければいけない」とし、多くの県民の理解や協力を呼び掛けた。