定員内不合格改善へ校長に通知 沖縄県教委 合否判定の見直し求める


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 県教育庁県立学校教育課は14日、高校入試で定員内不合格者が出ないように合否判定基準の見直しを求める通知を県立高校の校長宛てに出した。同課の玉城学課長は同日、那覇市の青年会館で開かれた県高等学校長協会の研究協議会に出席し「重度知的障がいのあるなしにかかわらず、入学した全ての生徒に対し、法律上、学びの保障ができる」と述べ、昨年度までとは方針が異なることを説明した。

 同課はこれまで、重度知的障がいのある仲村伊織さん(17)への入試対応を念頭に「法律上、特性に応じた教育課程を提供できず、生徒の学びが保障できない」と説明していたが、玉城課長は「法律上、入学できないとの誤解を招く表現だった」と釈明した。

 定員確保を求める通知は「空き定員があるにもかかわらず不合格者を出すなど、いまだ改善されない学校もみられる」と指摘。入学意思のある生徒の学ぶ機会を提供することの重要性を再認識するよう促し、定員確保の努力を求めた。

 また、地方公共団体が障がいに応じて十分な教育が受けられるように支援しなければならないことを定めた教育基本法の条文や、障がいに応じた特別の教育課程に関する学校教育法施行規則、一律に「適格者主義」を採用しない考えを示した中央教育審議会(中教審)答申などの資料も提供した。