国際通り一変 新型コロナウイルスで客足鈍化 店員はマスクで接客


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社
マスク着用に理解を求める張り出しをした御菓子御殿国際通り牧志店=14日、那覇市

 県内での初感染が確認され、世界中で感染の勢いを増し続けている新型コロナウイルス。中国からの観光客が多く訪れる観光地や商業施設では客足が鈍るなど、経済にも悪影響を及ぼしているほか、企業は従業員の感染予防に神経をとがらせる様子もうかがえる。

 那覇市の国際通りは、観光客や大型クルーズ船の乗客らが足を運ぶ人気スポットだが、新型コロナウイルスの感染でクルーズ船の停泊が止まって以降、訪れる人の姿が減っている。

 御菓子御殿国際通り牧志店では年明け以降、前年の同じ時期より売り上げが約2割減った。従業員の宮城律子さんは「感染予防のためにと全て入国を止めれば、観光業は大ダメージを受ける」と厳しい表情を浮かべる。従業員は全員マスク着用で勤務。店頭には「体調不良でマスクを着用しているわけではなく、お客さまと従業員の健康と安全確保を考慮したもの」と記し、理解を求めている。

 わしたショップ国際通り店では例年、中国の春節(旧正月)時期に観光客が増え、売り上げが伸びるかき入れ時だ。だが屋比久敏明副店長は「今年は普段より伸びなかった」と表情を曇らせる。県内での新型コロナウイルス初感染を受け「風評被害も懸念されるが『大丈夫だ』と言っても、結局心配する人は心配する。とにかく早く終息してほしい」と話した。

 ドラッグイレブン国際通り店は、新型コロナウイルスによる感染拡大を受けて、売り上げ動向が左右されている。店員の島袋葵さんによると、前週は中国や台湾、香港など中華圏の客が多く訪れ、マスクや消毒液を大量に購入した。一方、現在はマスクが品薄になり、「マスクはない」と説明するとそのまま帰る客が増え、マスクと一緒に売れていた化粧品などの売れ行きにも影響が出ている。