パネル落下米軍機飛行 嘉手納 運用優先、住民反発


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パネルを落下させて以降、初めて飛行する米海軍のFA18戦闘攻撃機=15日午前10時ごろ、米軍嘉手納基地(読者提供)

 【中部】米軍嘉手納基地を拠点とした訓練中に給油口を覆うパネル(カバー)を紛失した米海軍のFA18戦闘攻撃機が15日午前10時ごろ、同基地を離陸した。当該機の飛行は落下後、初めて。米軍は地域住民に落下原因や再発防止策を十分に示すことなく運用を優先し、住民から反発の声が上がった。

 外れていたパネル部分が修復された機体は、嘉手納基地の南側滑走路から北谷町向けに離陸した。同基地で訓練していたFA18は計3機で、14日に1機、15日に当該機を含む2機が同基地から離れた。15日午前11時すぎまでに、配備先の米海兵隊岩国基地(山口県)に到着した。FA18は米原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機。

 在日米海軍によると、当該機は12日、嘉手納基地近くの海上を飛行中、機首の右側にある給油口を覆うパネルがなくなっていることを確認。同軍は13日、飛行中の部品紛失を認めた。県や地元自治体は、日米の関係機関に抗議する方向で対応を検討している。嘉手納町に住む70代女性は、落下原因などを示さず飛んだことに「米軍は住民のことをばかにしており、怒り心頭だ。地域が安全管理の徹底を何度言っても、同じことを繰り返している。防衛省がもっと強く米軍に申し入れるべきだ」と指摘した。