「自分も感染するのか」「情報がない」 2人目もタクシー運転手、業界に広がる不安 利用者に乗車控える動きも


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 2例目の感染発覚が判明した19日、タクシー業界には動揺が広がった。密閉された車内での感染リスクの高さを改めて浮き彫りにしたことで、運転手の間では「自分も感染するのでは」との疑念が広がっている。利用客の間で乗車を控える動きも見られ、「情報がないのが心配。感染者はもっといるのではないか」と不安がる声が上がっている。

 「やっぱり出たか。時間の問題だと思っていた」。タクシー運転手に2人目の感染者が出たことを受け、那覇市の個人タクシーの男性運転手(60)はため息交じりに語った。

 本島中部のタクシー会社に勤務する60代男性は「最初の1人目が出て以降、陰性が続き収まると思っていたのにショックだ」と落胆を隠さない。1人目の感染確認後、会社からは「那覇には行くな」と言われたという。

 男性はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が那覇市に寄港した1日、同市内で韓国人の乗客4人を国際通りで乗せるなどした。「タクシー運転手は配車アプリで呼ばれたり、呼び止められたりすれば乗せるしかない。潜在的に感染している人は多いはずで怖い」と話した。

 利用客にも動揺が広がっている。「感染者は2人どころでは済まないはずだ。情報開示を正しくしてほしい」と表情を曇らせるのは会社員の福田哲也さん(48)=那覇市。別の会社員男性(56)=同=は、1人目の感染発覚からタクシーやバスの利用を控えているといい、「自己防衛するしかない」と吐露。感染予防のためマスクを2重にしていた山田のぶさん(77)=同=は「タクシーのドアに手を触れて感染することもある。消毒を徹底してほしい」と対策を求めた。