「どういうことが起こるのか分からない」 沖縄県、2人目の感染確認に強まる危機感


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沖縄県内で2例目の新型コロナウイルス感染者発生を受けて開かれた危機管理対策本部会議に参加する玉城デニー知事(中央)ら=19日夜、県庁

 19日午後5時前、新型コロナウイルス感染者の検査結果が届くと、県庁4階は一気に慌ただしくなった。砂川靖保健医療部長は玉城デニー知事に2例目の感染者がいたことを報告。直ちに危機管理対策本部会議が招集された。会議で砂川部長は、高齢者が大勢参加するイベントは控えた方がいいとの考えを示した。2例目の感染者が出たことで県庁内の危機感はいっそう強まっており、行事自粛なども相次ぐ可能性がある。

 対策会議後の記者会見で、患者の情報について報道各社から相次いで質問が上がったが、県側は「現在、情報を持ち合わせていない」と回答する場面が多くあった。

 県によると、今回感染が発覚したタクシー運転手の男性は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客と接触した可能性があるとして、県が作成している調査リストに名前はなかったという。男性は集中治療室に入っており、同日中に聞き取りは進まなかった。

 一方、今回の運転手もクルーズ船乗客から感染した蓋然性(がいぜんせい)が高いとみられ、県は県内でのウイルス感染を「第1段階」(糸数公保健衛生統括監)だとしている。ただ、県幹部らは東京都や和歌山県で感染経路の不明な患者が相次いでいることに危機感を強める。砂川部長は「どういうことが起こるか分からない。注意深く監視して医療提供体制の確保、感染拡大防止につなげていきたい」と強調した。