20年度の沖縄経済成長は0・9% 新型コロナが影響し低い成長率 NIAC推計


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 南西地域産業活性化センター(NIAC、大嶺満会長)は19日、2020年度の県経済の実質成長率が対前年度比プラス0・9%程度と低い成長率にとどまるとの推計を発表した。新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の影響で年度前半の観光収入が減少し、業況悪化に伴う雇用調整によって失業率の悪化や賃金の伸びの鈍化も見込まれる。年度後半までに感染が終息すれば、抑えられていた観光需要が盛り返すとみている。

 NIACの金城毅上席研究員は「感染が終息すれば回復は早いと思うが、クルーズ船はイメージの悪化によって取り戻すまでに時間がかかる可能性もある」と話した。

 項目別では、民間消費支出は対前年度比プラス1・4%程度を予想する。消費マインドが弱含み、前年度より伸び率は鈍化する見通し。観光関連の収入などを含む移輸出は、新型肺炎の影響で観光収入が減少するほか、県産品などの移輸出も航空路線減の影響で伸びが鈍化すると見込まれ、同マイナス0・6%程度を予想する。

 民間住宅投資は建築コスト上昇などから引き続き減少し、同マイナス1・6%程度になるとみる。民間設備投資も宿泊施設や商業施設など施設関連投資で供給過剰感が高まり、同マイナス0・3%程度を見込む。公共投資は、景気の下振れ対策の実施を想定し同プラス0・4%程度になるという。

 19年度の実績見込みの実質経済成長率は同プラス0・4%程度で、18年度のプラス2・6%程度を下回った。前半はおおむね好調だったが、後半に消費増税や日韓関係の悪化、新型肺炎の影響による観光客減少など景気の下押し要因が相次いだ。