新型コロナ 沖縄で3人目の感染者 市中感染濃厚 80代男性、クルーズ客接触なし


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県内3例目の新型コロナウイルス感染症の患者が確認されたことを発表する玉城デニー知事=20日午後6時10分ごろ、県庁

 沖縄県は20日、豊見城市在住で農業の80代男性が新型コロナウイルス(COVID19)に感染し肺炎を発症していることを確認したと発表した。感染者は県内で3人目。この男性は、これまでに感染が確認された2人の患者やクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客との接触は現時点で確認されておらず、県内でも市中感染が発生している可能性が濃厚となった。男性は肺炎の所見があり入院中だが、軽症で会話もできるという。県が感染経緯や接触者などについて調査している。

 県保健医療部の砂川靖部長は「市中感染は否定できないと思っている」との見解を示した。県によると男性は糖尿病などの基礎疾患があり、6日に微熱で風邪気味となった。17日に倦怠(けんたい)感や下痢の症状が出て食欲が低下したため一般の病院を受診し、そのまま入院。検査で肺炎が見られたため、主治医がウイルス検査が必要と判断し、20日の検査で陽性反応が出た。

 発生早期の段階は感染症指定病院に患者を入院させることになっているが、男性は指定病院以外の病院を受診し、そのまま入院となった。その後に感染が確定した。男性は個室に入院しているという。糸数公県保健衛生統括監は、指定病院と地域の協力病院で患者を診る体制を整えるよう指示しているとし「この医療機関でこのまま治療を続けることは法的にも問題ない。移動はまたリスクが出たりするので、今後の判断になると思う」と話した。

 県内では集団感染が確認されたクルーズ船が1日に那覇に寄港した際、下船した乗客を乗せたタクシー運転手の60代女性と60代男性が感染した。県はクルーズ船の乗客と接触した観光バス運転手やタクシー運転手ら278人のほか、1例目の女性の濃厚接触者を追跡調査してきた。2例目の男性の接触者も調査中だが、現時点で80代の男性との接点は確認されていない。この男性は2週間以内の中国への渡航歴もなかった。