感染経路解明できず 新型肺炎3人目の男性 「市中感染」の可能性 


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 沖縄県内で3例目となる新型コロナウイルスの感染が確認された豊見城市在住の80代農業の男性について、県は21日、男性への聞き取り調査を実施したものの、感染経路が解明されていないことを明らかにした。県の糸数公保健衛生統括監は同日、感染ルートが分からない「市中感染」の可能性があるとの認識を改めて示した。また同日は新規で4人を検査したが、いずれも陰性だった。

 県によると、80代農業の男性は感染症指定医療機関ではない民間の病院で17日から入院している。男性の治療については指定医療機関への転院はせず、入院している病院で治療を続ける方針が決まった。県によると、男性は二次汚染を防ぐために使用される「陰圧」という隔離技術が備わった個室で入院している。

 21日には男性と接触のあった1人の検査を実施したが、陰性だった。

 一方、20日に男性の感染が発覚した後、県が豊見城市に情報を提供していなかったことが明らかとなった。砂川靖保健医療部長は21日の県議会代表質問で「市町村に連絡するということが頭に浮かばなかった」と説明。その上で、今後については「(感染患者が出た)該当市についてはマスコミの記者会見をする時間と合わせて情報提供するよう、心掛けたい」との考えを示した。次呂久成崇氏(社民・社大・結)に答弁した。

 県は21日までに48人の検査を実施。そのうち陽性は3人、陰性は45人となった。陽性となった患者のうち、2例目の60代タクシー運転手の男性は同日時点でも重症のため、集中治療室で治療を受けている。最初に感染が分かり、指定医療機関で入院中の60代タクシー運転手の女性は同日の検査で陰性となった。