【嘉手納】嘉手納町の防災福祉に取り組んできた嘉手納高校福祉系列(下地将生教諭)の3年生が町西浜地区の防災マップを完成させ、7日、町役場で當山宏町長や比嘉秀勝教育長に贈呈した。「実際に地震や津波が来た時には、ぜひ活用してほしい」。贈呈式前に取り組みの成果を発表した生徒らは、災害時に介助が必要な高齢者や障がい者に配慮した上で自らが歩き、考え、マップを作成したと説明し「町民の安全確保に役立てれば」と訴えた。
生徒らは津波の発生を想定し、ゴールを海抜約15メートルの西浜区コミュニティーセンターに設定。フィールドワークでは3グループに分かれ、介護施設や児童施設の場所、高い建物などを確認しながら各ルートを歩いた。車いす利用者でも円滑に移動できるかを検証するため、2人一組となって1人が車いすを押しながら、凹凸が少なく歩きやすい道か確かめながらルートを選定した。
比嘉教育長からは「大規模な災害時に大勢が避難できる場所はあるか」との質問が飛び出した。生徒代表で発表した伊波希吏さん(18)は土地が広く、テントの設営ができるなどの理由から「ネーブルかでなが最適という答えに至った」と説明した。
卒業後、那覇市の児童発達支援センターへの就職が決まっている伊禮華鈴さん(18)は「見慣れた町でも、防災意識を持って見つめるといろんなことに気づくことができた」とし、学んだことを子どもたちにも伝えていきたいと語った。
當山町長は「高校生らしい視点がたくさんあり、素晴らしいものが出来上がった。ぜひ活用させてもらう」と述べ、生徒らの力作を評価した。