「今まで見たことがなかった」 パスポートで初めて知る義理の父の顔 米国から戦没兵士の遺品戻る


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仲村渠平治さんのパスポートを手にする仲村渠サチ子さん(左から2人目)や石嶺伝実村長(同3人目)ら=19日、読谷村役場

 【読谷】太平洋戦争で亡くなった元海軍一等兵で、旧読谷山村住民の仲村渠平治さんのパスポートがこのほど見つかった。19日、長男の妻のサチ子さん(82)ら遺族が村役場を訪れ、石嶺伝実村長から受け取った。サチ子さんは「本人の写真は今まで見たことがなかった。兄弟に似ている」と話した。

 パスポートはジョン・ヒューイット氏=米国=の亡き父が戦時中、ソロモン諸島の戦地で拾ったという。保存状態がよく、氏名や住所、写真などがきちんと識別できるため、身元特定に至った。今回ヒューイット氏から申し出があり、遺族の元に返還されることになった。

 石嶺村長は「肉親の元に戻ってきたのは感慨深い。平和への取り組みをさらに強化したいとの思いを新たにした」と語った。サチ子さんの孫の奥間優衣さん(23)は「パスポートがどういう経路をたどってきたのかを考えると、見つかってありがたい」と感謝した。