直径5メートル内で繰り広げられる華麗な足技 ストリートサッカー大会 伊地が初の頂点に


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巧みなフェイントでチャンスを探す伊地秀明(右)=24日、豊見城市民体育館

 直径5メートルの円形のエリアの中で、華麗なドリブルテクニックを競うストリートサッカー大会「OKINAWA PANNA BATTLE 1on1ストリートサッカー大会」が24日、豊見城市民体育館で行われた。県内初の開催。国内ではまだ認知度は低いが、県内では東京、大阪に次ぐホットスポットだ。大会には幅広い年齢層の男女が参加し、互いに華麗な足技を披露した。

 欧州で生まれた新ジャンルの「サッカー」で、1対1と3対3がある。3分間で得点を競い接触プレーは禁止。「PANNA(パナ)」と呼ばれる股(また)抜きを決めると一発で勝者になるため、起死回生の逆転劇も魅力だ。

 主催するのは、県内ストリートサッカーチーム、KOKUSAI STREET(コクサイストリート)だ。日本代表に選ばれ国内外で活躍するnao(新里尚史)が代表を務め、競技の普及や技術力向上を目的に開かれた。12~43歳までの計24人が初心者と経験者部門に分かれて、接戦が繰り広げられた。

 経験者部門の決勝は、優勝候補の一人を破って勝ち上がった知浦章人と、全国大会出場経験もある伊地秀明のカード。開始早々から伊地が先制すると知浦も追いかけるシーソーゲームが続いたが、残り約30秒で伊地が4―4の同点から勝ち越し点を決め初の頂点に立った。サッカー経験者の伊地は「足技を鍛えたいと始めたが、今はストリートサッカー一本です」と、尊敬するnaoを追い抜こうと意気込む。

 初心者部門は競技歴約2週間の赤嶺考哉が、先制されながらもパナを決め逆転優勝し、この日一番の喝采を浴びた。準決勝もパナで勝ち上がった赤嶺は「シュートは苦手なので最初からパナ狙いで攻めた」と戦略が奏功したようだ。

 県内初開催の大会で予想以上の参加者や観客が集まったことにnaoは「練習に参加したい人や、これから始めたいとの声もあり手応えを感じた。環境を整え、競技人口を増やし沖縄から盛り上げたい」と、第2回大会や県内での九州大会開催と次なる目標を見据えていた。
 (上江洲真梨子)

「技磨き 観客驚かせたい」 フットサル・神谷参戦

足下のテクニックで相手をほんろうする神谷(右)

 アマチュアフットサル世界大会「ハワイフットサルカップ」で日本代表として出場した神谷翼(34)も大会に参加した。「ドリブルなどの基本的な技術に加えて、観客を魅了する(足技の)技術を高められることが魅力」と1年半前から本格的に競技を始めたという。

 ストリートサッカーで高めた足技が、フットサルの1対1の場面で生かされることもあるといい週2度の練習に汗を流す。1対1だからこそ「うまくなればなるほど結果が目に見える。観客を驚かせる足技が決まると楽しい」と競技中にも笑顔が飛び出る。

 今大会は3勝2敗で決勝進出を逃したが、国内最高峰の「全日本パナ選手権16強入り」という目標を掲げ足技に磨きをかけていく。