宮古島市平良の下里通りにあるダイニングバー「ボックリーのチョッキ」。ワインを中心に豊富な品ぞろえのアルコールに合わせて店主の鴇沢(ときざわ)研二さんが腕を振るう料理は、口に運ぶと思わず笑みがこぼれるおいしさだ。平日休日問わず、多くの地元の常連客や観光客が訪れ、店内はにぎやかだ。
仕入れた食材によってメニューはさまざまに変わるが、一押しは新鮮な「伊良部黒豚しまわ」を使った豚肉料理だ。ソーキのグリル(850円)は、店内を漂う香ばしい匂いと、隣のテーブルの客が肉にかぶりつく姿につられて思わずオーダーしてしまう人も少なくない。鴇沢さんは「脂身が香り高く、しつこさがなくてうまみが凝縮されている」と説明する。
宮古島産トマトとズッキーニが入ったしまわのボロネーゼ(1200円)も、豚のしっかりとした味とうまみ、脂身の甘さをまとったパスタが絶妙で、一口食べるともうフォークが止まらない。
「宮古の食材は面白くて、自分の価値観が変わる瞬間が何度もあった」と宮古の食の魅力を語る鴇沢さん。店は今年20周年を迎える。「素材を生かしたシンプルでおいしい料理をたくさんの人に楽しんでもらいたい」とほほ笑んだ。
午後7時~午前2時。水曜定休。宮古島市平良下里598の2。(電話)0980(72)6644。 (真栄城潤一)
(2019年5月27日付掲載)