石垣市の市役所通り近くにある「三代目 海の花」。一見すると喫茶店のような外観だが、豊富なネタを提供する寿司屋だ。元々喫茶店だった店舗を、本島の寿司屋で経験のある與那覇千佳さん(37)が引き継ぎ、2018年4月に開業した。親戚関係にもなく、店のテーマも違うが、喫茶店を営業していた親子2代の後ということで「三代目」を冠する。
テーブルやイスはそのまま引き継ぎ、茶碗蒸しの器にはコーヒーカップを使用するなど随所に喫茶店時代の名残が見えて「寿司屋っぽくはない」(與那覇さん)が、安くて本格的な寿司を味わえると地元客を中心に人気を博している。
売りは本土から魚を取り寄せ、常時30種類ほどの豊富なネタを扱っているところ。與那覇さんは「石垣島で、貝や光り物を常に5種類出せるところはないのではないか」と自信を見せる。一方で地元の“本格的”な釣り人からも仕入れており、「アオリイカとかは出すとすぐになくなる」と笑顔を見せる。
おすすめは生サバやコハダ、マアジなどが楽しめる「光物5点握り」(1100円)。「赤字だ」と話す「刺身5点盛り」(1~2人前950円、3~4人前1500円)も好評だという。
「気軽に食べてほしいからあまり高くしたくない」と話す與那覇さん。出前も行っており、地域に根ざした寿司屋を目指す。営業時間は午後6時~翌午前3時で、出前受け付けは午後3時~同11時。定休日は月曜日。問い合わせは(電話)0980(87)5091。 (大嶺雅俊)
(2020年1月27日掲載)