「新たな発生は大変残念」 豚熱6例目確認で玉城知事 感染農場は5例目と同列系 搬出制限の解除は振り出しに


この記事を書いた人 問山栄恵
沖縄県特定家畜伝染病防疫対策本部会議で、6例目の豚熱感染確認に「大変残念だ」と話す玉城デニー沖縄県知事=26日午前0時2分、県庁

 沖縄県は25日深夜、うるま市の養豚場で県内6例目の豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。新たな感染場所は、今月2日に5例目が確認された沖縄市内の養豚場から3キロ圏内にある。農家によると、1039頭を肥育している。県は26日から殺処分や埋却などの初期防疫措置を始め、28日までに完了する予定。
 
 感染が確認された養豚場から3キロ以上10キロ圏内の搬出制限区域は27日にも解除の予定だったが、6例目の確認で解除に向けた確認作業は振り出しになった。
 
 沖縄県によると、23日夕、養豚場から歩行障害や食欲不振の豚が3頭おり、隔離したとの報告があった。24日に、検査のため3頭を含む30頭から採血したところ、7頭から陽性反応が出た。再度立ち入り、内臓などの詳しい検査をした結果、25日午後10時半に豚熱への感染が確認された。

 沖縄県は26日午前0時から、玉城デニー知事を本部長とする第6回県特定家畜伝染病防疫対策本部会議を開催した。玉城知事は「移動、搬出制限の解除に向けて検査を進めていたところで、その中での新たな発生は大変残念だ」と話した。

 6例目の発生養豚場は、5例目の養豚場から直線で約700メートルの距離にある。4例目、5例目と同系列の農場で、同じ繁殖農場からそれぞれ子豚を仕入れていたという。

 今回の6例目は5例目の発生から20日間以上空いての感染確認となった。これについて仲村敏畜産課長は、ウイルスの生存期間は条件によって大きく左右されるとし「例えば土の中で低温ならば生存期間は長くなる。環境中にあったウイルスが(養豚場に)入った可能性も否定はできない」と話した。

 28日から沖縄本島で開始する豚熱ワクチンの接種計画には変更ないという。

 1月8日にうるま市の養豚場で県内では34年ぶりとなる豚熱感染が確認されて以来、うるま市と沖縄市の5農場で感染が確認され、疫学関連農場と合わせて計8農場で豚が殺処分された。6例目と合計すると殺処分される豚は約1万2千頭になる見込み。【琉球新報電子版】