琉球食糧が米事業から撤退 消費量減少に輸送費高騰で収支悪化 不動産事業は継続


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2月で米穀卸売事業から撤退する琉球食糧本社と精米工場=1月23日、那覇市西

 米穀卸売業の老舗、琉球食糧(那覇市、平良清健社長)が28日に、主力事業である米事業を終了することが分かった。200件ほどの取引先には既に説明を終えている。那覇市西の精米工場を閉め、今後は那覇市内に持つマンション4棟を賃貸管理する不動産事業だけを残す。

 米の消費量が減少していることに伴う売り上げの減少に加え、原料や輸送費の値上がりで採算性が悪化していた。黒字転換の見通しが立たないことから、昨年12月の役員会で米穀卸売業からの撤退を決めた。

 社員27人のうち4月以降は2~3人で不動産業を続ける。米部門で働いていた約25人については同業他社などから求人を集めて、就職先をあっせんするなどしている。会社名を変更するかは現在検討している。

 琉球食糧は1956年4月4日に創業した。年間約3千トンを精米、出荷している。平良社長は「時代の変遷の中での出来事でもあり、受け止めないといけない。周りに迷惑を掛けないためにも、体力があるうちの撤退を判断した」と話した。