【中部】米軍嘉手納基地所属のF15C戦闘機1機が27日午後4時13分、読谷村付近の上空で、敵機からのミサイルをかく乱することを目的に用いられるフレア(照明弾)らしき物体を複数発射した。近隣自治体に通知はなく、住民から安全性を懸念する声が上がった。
物体は赤い光を放ち、煙を上げながら落下して消えた。発射した機体は訓練を終え、同基地に戻る際に何らかの不具合が発生したとみられる。村付近の上空を数回旋回して物体を発射。午後4時16分に北側から基地に緊急着陸した。消防車両に囲まれて点検後、駐機場へけん引された。
同基地の第18航空団は午後9時現在、本紙の質問に回答していない。基地所属の米軍機は直近で2006年3月と8月、11年3月、16年7月、19年1月にフレアの発射があった。フレアは機体に常時搭載されている。アルミ製で、発射されると15~20秒ほど高温で燃える。
読谷村瀬名波に住む伊波則雄さん(82)は「県民、村民を無視したもので、米国本意の訓練だ。沖縄を何とも思っていないのではないか」と憤った。