アダ・ガーデンホテルを買収 フロンティアリゾート 稼働率向上へ


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フロンティアリゾートが買収して事業を承継するアダ・ガーデンホテル沖縄(アダ・ガーデンホテル沖縄提供)

 北谷町でホテル「サンセットアメリカン」などを運営するフロンティアリゾート(同町、中田謙二社長)が27日、国頭村安田の「アダ・ガーデンホテル沖縄」を取得した。稼働率が低迷していたホテルの再生に向け、沖縄海邦銀行が企業の合併・買収(M&A)による事業の承継を仲介した。中田社長は「那覇から車で行ける別世界だ。まずは県民の認知度を上げていきたい」と経営改善に意欲を語った。

 施設は2000年に、沖縄とベトナムの友好の証として建築資材や調度品をベトナムから運び建築された。ダイナスティー・ハウジング(北谷町)が10年にアダ・ガーデンホテル沖縄を開業し、経営してきた。

 やんばる国立公園内にあり、敷地内にヤンバルクイナが現れるなど豊かな自然がホテルの特徴となっている。ただ、那覇空港から沖縄自動車道を使って約2時間半かかる立地条件もあり、近年は稼働率が10%前後に低迷していた。中田社長は銀行から声を掛けられたことがきっかけで、19年2月から自ら泊まり込んで働いた。2人部屋の平均宿泊価格を平日は1室8千円に下げるなどの改革で、年間稼働率を21%まで高めた。

 沖縄本島北部地域は世界自然遺産への登録を目指している。中田社長は「ホテル建設は規制を受けるため、自然を間近に体感できるのはここだけだ。今後は体験型観光への移行が加速する。稼働率を40%まで上げていきたい」と話した。