「ここからがスタート」 柔道五輪代表・渡名喜風南が語る沖縄への思い


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 全日本柔道連盟は27日、東京五輪代表12人を選出した。女子48キロ級で両親が南風原町出身の渡名喜風南(パーク24)が選ばれた。

 渡名喜風南の記者との一問一答は次の通り。

東京五輪柔道日本女子代表に選ばれ、会見に臨む渡名喜風南=27日、東京都の講道館

 ―初出場の内定が出て今の気持ちは。

 「東京五輪までは一つ一つの試合で優勝を目指してやってきた。内定して、ここからがスタートだなという気持ちだ」

 ―フランス選手など長身の選手への対策は。

 「相手の行為に自分が嫌がるのが一番相手にプラスになる。それを嫌がらずに前に前に出ることが今の自分の課題だ。そこを練習の中で突き詰めてやっていきたい。ずっと前に出ていっても投げられる。押しと引きのメリハリをしっかりやっていきたい」

 ―今回の内定でこれまでより時間が取れる。

 「やることは一つ。常に自分がやることは変わらない。いつ決まるかはあまり(影響は)ない」

 ―女子の48キロはメダル1号として注目される。

 「自分はマイペースなので、そこはマイペースに自分がやることをしっかり一つ一つやっていきたい。一つ一つの試合で確実に勝っていけるように、優勝目指して頑張りたい」

 ―リオ五輪が終わって3年半を振り返って。

 「よかった時も悪かった時もたくさんあった。あっという間といえばそうだったが、長かった」

 ―今後の試合予定は。

 「(東京五輪までに)実戦を1回挟んで、1回黒人選手とも組みたいなという気持ちもある」

 ―ほっとした気持ちは。

 「ない。自分はブリュッセルで負けているので、ほっとできるような立場じゃない。ここからしっかりやっていきたい」

 ―悪かった時とは。

 「自分の中で納得いく内容ではないことが多かった。勝てた時が良かったのではなく、自分が納得いくことができなかった部分で、苦しい時期もあった。世界選手権を勝って後のことだ」

 ―それは追われる立場で苦しかったのか、自分の柔道ができなかったからか。

 「どちらとも取れる。今まで追う立場が多かったが、追われる立場で苦しかったのもある。自分のやりたいことと心がついていかないこともあった」

 ―沖縄には親戚もいて、沖縄でも応援の声も多い。

 「生まれも育ちも神奈川だが、沖縄の新聞でもすごく取り上げてもらっていて人の温かさを感じる。そのたくさんの人の応援を力に試合でも頑張っていきたい」