授業数が不足する恐れも 進級に影響なしも学習遅れを危ぐ 臨時休校で学校現場


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 小中高の学習指導要領では各学年ごとに標準授業時数が定められていて、今回の臨時休校で児童・生徒によってはその時数を下回る恐れがある。しかし、文部科学省が28日に出した通知は「下回った場合は、そのことのみをもって学校教育法施行規則に反するものとはされない」と説明しており、県教育委員会は「卒業、進級に影響はない」としている。

 県内の小中高校は台風に備え、標準授業時数より多めに授業をする計画を立てている。それでも今回は2週間以上の臨時休校となるため、予備時数を設けていても足りなくなることが想定される。高校では再開後に補講を行う可能性もあるという。ただ、ある県立高校関係者は「高校は元々、入試がある4日以降の5日間程度は入試休みの予定だったので、実質的な休校は1週間くらいだ。部活動ができなくなるので生徒に影響がないとはいえないが、単位認定の面で心配することはないだろう」と語る。

 文科省通知は「学習に著しい恐れが生じることがないよう、可能な限り、家庭学習を適切に課す等の必要な措置を講じること」も求めている。授業時数を下回っても問題が起きないとはいえ、学習ができなくなることに変わりはなく、各学校は休校中にも宿題などを児童・生徒に課して補う予定だ。

 ある小学校教諭は「教科書の内容を終えていない学級もあるので、課題を出すだけでちゃんと学べるのかという不安は残る」と話した。