「同じ経験をしている子のためになりたい」 不登校乗り越え、夢新たに


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中部農林高校定時制4年の伊波希亜良さん=26日、同校

 3月1日、県内の各県立高校で卒業式が開かれる。中部農林高校定時制4年の伊波希亜良さんも新たな門出を迎える一人だ。小中学校で不登校を経験しながらも、さまざまな出会いや努力の中で困難を乗り越えてきた。「同じ経験をしている子どもたちのためにスクールソーシャルワーカーになりたい」と話し、将来の目標に向かって手にした卒業を満面の笑みで喜ぶ。

 幼い頃から他人の気持ちを気遣う性格で、同級生に話し掛けることや人間関係が苦手だった。小学校高学年になると、内気な性格を変えるため部活に入ったが、理不尽な人間関係の壁にぶつかり学校から足が遠ざかっていった。

 そんな中、周囲の勧めや同じ経験に悩む友達との出会いに背中を押されて定時制に入学したが、不安は大きかった。すぐに「辞めたい。やっぱり怖い」と思い、休学を担任に告げた。

 しかし担任の協力や、不登校の経験を共感し合える友達ができたことで学校生活も、伊波さん自身も変わっていった。

 二つの部活で部長を務め、意見発表大会では学校代表となった。積極的に活動する姿は教員も驚く成長だった。学業にも励み「忙しくてあっという間だった」とはにかみながら4年間を振り返った。

 「周囲の支えのおかげでここまで来られた。感謝の気持ちでいっぱい」と語る伊波さん。

 4月に始まる大学生活を心待ちにしながら「不安もあるけど頑張りたい」と力強く前を見据えた。
 (下地陽南乃)