米軍返還跡地の汚染発覚、住民から健康不安訴える声 自治体の責任追及も…


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 【北谷】米軍嘉手納基地の一部返還で、住民が町から購入した北谷町上勢頭の住宅地は、米軍による廃棄物の検出や地中から環境基準値を超えるダイオキシン類が検出されるなど問題が続出し、地権者が納得する解決に至っていなかった。これまで開かれた住民説明会では、健康被害を不安視する声や町の責任を追及する声が上がっていた。

 町は地権者に土地を譲渡する際、契約書で隠れた瑕疵(かし)に町は責任を負わないとする記載を盛り込んでいた。地権者から廃棄物が見つかったことについて対応を求められてからも、町の公園事業に協力した地権者に対し「道義的」に対応するとの姿勢を強調していた。

 町や沖縄防衛局が開いた住民説明会では、健康不安を訴える声が多かった。沖縄防衛局は2017年に実施したボーリング調査について、地中から土壌汚染対策法の基準値を超える鉛とヒ素が検出されたが、いずれも同法ガイドラインに沿って自然由来の土壌汚染と判断できる数値と説明した。その上で「人体や居住環境に影響はない」と結論付けた。