米軍基地周辺河川から高濃度のPFASを検出 沖縄県が追加の水質検査 発がん性のリスクも


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 在沖米軍基地周辺の河川や井戸水から発がん性などのリスクが指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出されている問題を受け、県環境部は2日までに昨年10~11月にかけて基地周辺などで追加実施した水質調査の結果を公表した。米軍嘉手納基地につながる比謝川周辺では25地点のうち21地点、米軍普天間飛行場やキャンプ瑞慶覧周辺では12地点中9地点、天願川では3地点中1地点で、PFOSとPFOAの合計値が米環境保護庁(EPA)が設定した飲料水に関する生涯健康勧告値を超える高濃度の汚染が確認された。

 米EPAの生涯健康勧告値は1リットル当たり70ナノグラム。一方、県が追加調査した嘉手納基地につながる比謝川周辺の井戸水や湧き水などでは、同170~2100ナノグラムのPFOSとPFOAが検出された。普天間飛行場やキャンプ瑞慶覧周辺でも120~1000ナノグラム、天願川でも150ナノグラムが検出された。

 米軍基地周辺のPFAS汚染は、米軍が使う泡消火剤が汚染源だと指摘されている。追加調査では泡消火剤から生成するとの研究報告がある「6:2FTS」も最高で1リットル当たり790ナノグラム(嘉手納基地周辺)で検出され、泡消火剤との関連が示唆された。

 国際的な規制が議論されている有機フッ素化合物「PFHxS」も1リットル当たり0・1~720ナノグラム(嘉手納周辺)、11~470ナノグラム(普天間・キャンプ瑞慶覧周辺)、0・9~24ナノグラム(天願川)確認された。