コロナウイルス検出、2時間から40分程度に短縮 バイオベンチャーAVSSがキッドを開発


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AVSSの開発した研究用のコロナウイルス遺伝子検出キット。現行の検出試薬よりも判定までの時間を短縮できると期待されている

 うるま市に研究拠点を置くバイオベンチャー企業のAVSS(エーヴィス、長崎県、小林信之社長)は2日までに、新型コロナウイルス(COVID19)を含むコロナウイルス遺伝子を検出する研究用のキットを開発した。感染の有無を調べる検査ではウイルスの遺伝子を増幅する作業に2~3時間を要するが、同キットを使うと40分程度に短縮できるという。体外診断用医薬品の承認に向け、今後、国内外の専門機関などで実際の患者の検体で効果を確認する予定という。

 同キットは、ウイルスの遺伝子を増幅させて感染を調べるPCR法に用いる。コロナウイルス全般を高い感度で検出するが、新型だけでなく、SARS(重症急性呼吸器症候群)や通常のかぜ症状の原因になるコロナウイルスにも反応が出るため、同キットだけで確定的な判断はできない。それでも、インフルエンザやアデノウイルスなどの他の呼吸器系症状のあるウイルスには反応しないことから、初期症状でのスクリーニング(ふるい分け)や、コロナ感染の陰性証明を求める人などへの活用を想定している。

 AVSS沖縄研究統括責任者の春山貴弘氏は「特別な機械は必要とせず一般的なPCR装置で使える。複数のツールのうちの一つとして活用できる」と話した。