「落ち着かない」「いろいろと混乱」… 新型コロナ感染拡大で受験生に戸惑い マスク着用に「集中できない」


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帰りの会で試験の際の注意事項などを伝える教諭と生徒ら=3日、沖縄市立コザ中学校

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)による混乱の中で迎える高校入試。前例のない事態に直面した受験生は不安を感じつつ、これまでの受験勉強の成果を発揮しようと気持ちを切り替えていた。学校では体調の悪い受験生に対応する教室や教員の配置に向け、議論を重ねた。休校に入った市町村では児童、生徒の自習の場として校舎を開放する学校も多い。児童館や学童保育では感染防止策や職員の確保で不安の声も聞かれた。

 「中学校最後の帰りの会を始めます」。沖縄市立コザ中学校の3年生のクラスでは会場でのマスク着用や会場の下見、合格発表の確認方法について最終確認を行った。3年の島田愛斗さん(15)は、突然の臨時休校決定や時間を短縮しての授業実施に「びっくりして落ち着かなかった」と振り返る。一方で、入試は「気持ちを切り替えてベストを尽くしたい」と意気込んだ。

 2日以降、同校では時間を短縮し午前中だけ授業が実施された。大城彩裕さん(15)は「みんなと学校で勉強したかった。いろいろ混乱して、全然頭に入らなかった」とさみしげに語った。

 休校となった琉大教育学部付属中の生徒が通う西原町の「五輪塾琉大校」には3日午前9時から3年生が集まり、それぞれのペースで学習した。新垣雄太さん(15)は「自分のしたい勉強をできるので良かったとも思うが、休校で残り少ない学校生活がさらに短くなったのはやはりさみしい」と吐露。本番では「人が集まるのでマスクをしようと思う」と話した。

 下見が行われた那覇高校には数百人が詰め掛け、午後4時の開場と同時に一斉に受験生が入った。ある受験生は「息がしづらくて集中できなくなるから、マスクをしようか迷っている。学校が休みで面接の練習が1回しかできなかったので不安だ」と語った。

 宮古島市では、受験生と家族が校内で一緒に昼食を楽しむ“応援弁当”も見送りになった。受験生の息子がいる40代男性は「初めての受験なので息子も楽しみにしていたようだが、この現状だと仕方ない」と話した。