米軍、つり下げ中止に応じず 標的落下で沖縄県が抗議


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米軍ヘリからの物体投下について抗議した後、取材に応じる県の金城典和基地対策統括監=3日、浦添市の在沖米総領事館

 米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプターがつり下げて輸送していた鉄製の訓練標的を読谷村沖に落とした問題を受け、県の金城典和基地対策統括監は3日、米軍キャンプ瑞慶覧と在沖米総領事館を訪れて抗議した。「読谷村でのつり下げ行為は中止してほしい」と訴えた。県は両者トップに県庁へ出向くよう呼び掛けたが、両者は応じず、県側が出向くことになった。

 金城統括監は原因究明と再発防止に加え、読谷村でつり下げ行為を行わないよう求めた。金城統括監らによると、キャンプ瑞慶覧では海兵隊政務外交部長のニール・オーウェンズ大佐が、総領事館ではヒラリー・ダウアー首席領事が対応した。両者は謝罪の言葉を述べたものの、読谷村でのつり下げ行為中止には応じなかった。

 オーウェンズ大佐は「訓練は必要なので、訓練自体は止めるということはない」と述べた。それを受け、金城統括監は「県としては過去の悲惨な事故もあるので、地元に不安を与えないようトリイ通信施設でのつり下げを中止してほしい」と再度求めたという。

 抗議終了後、金城統括監は「沖縄という小さい島に多数の基地や米軍が集中して事故が発生している。根本的な対策として基地・米軍の縮小が必要だ」と指摘した。