首里城再建、木材は国内から調達を確認 検討委が表明 在庫状況を調査


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 2019年度首里城復元に向けた技術検討委員会(委員長・高良倉吉琉球大名誉教授)の第2回木材・瓦類および彩色・彫刻ワーキンググループ(WG)が3日、那覇市の沖縄総合事務局で開催された。WG終了後、記者会見を開いた高良委員長は「ヒノキやイヌマキなどの木材は可能な限り国内で調達する方向が確認された。伐採済みの国内外の在庫状況についても引き続き調査を実施する」と述べた。

 前回の復元時の使用樹種はタイワンヒノキ(下層柱97本、上層柱60本)、イヌマキ(沖縄在来種、向拝柱4本)、オキナワウラジロガシ(沖縄在来種、小屋丸太梁6本)など。今回も前回同様の量の木材が必要だという。

 高良委員長は「前回はタイワンヒノキの伐採が禁止される前に調達できたが、今回は伐採が禁止されており、基本的に日本産のヒノキを使用する方向で調査していく」と説明した。

 国内で調達が難しいことから主に中国産を使用することが確認された漆については、林野庁が漆精製事業者からの聞き取りとして(1)漆は生き物であり、中国でも年によって品質(性質)に差が生じる(2)首里城のある場所は風が強いなど沖縄の中でも特徴があり、それに合った漆が必要(3)漆を塗る時期や気象条件などに合わせて現地で実際に試し、適したものを作り(調合して)納品する―の3点が報告された。