新型コロナウイルスの感染拡大により、学生スポーツの大会も相次いで中止・延期が発表されている。選手や指導者からは「健康が第一」と理解する意見の一方で、「調整してきただけに残念」「練習ができないとけがにつながる」など戸惑いの声も多い。公共の体育館などの施設も利用が制限され、自主練習もままならないケースもある。
県高野連は、春季大会の開幕を延期した。3~23日を臨時休校としている、沖縄尚学の比嘉公也監督は「健康第一で、練習は自粛している」と説明。休校明けに開幕する見通しで、できる範囲での自主トレーニングを指示しているという。今後の練習予定については「学校や保護者と相談しながらの対応になる」とした。
美里工の神谷嘉宗監督も自主練習を課しているが「校外にはキャッチボールができてバットを振れる場所は少ない」と技術面の衰えを不安視する。投手の肩を例に挙げ「大会までの調整が難しく、けがにつながりかねない」と吐露した。
全国高校選抜が中止となった重量挙げ。沖縄工の平良真理監督は「直近で目指す大会がなくなってしまった」と肩を落とす。2週間以上練習できない状況が続くと「(筋力などは)ゼロに戻ってしまう」と懸念し、一人一人にランニング中心の練習メニューを組み立てて対応している。
中止が決まったバドミントンの全国高校選抜には南風原の男子が出場を決めていた。2年の津波古礼斗主将は「選抜に向けて追い込んでいる最中だったので残念」と悔しがる。公共施設も利用が制限され、練習はままならないが「高校生活で大きな大会は総体しかない。調整期間が増えたと思いやっていきたい」とプラス思考を心掛けていた。
テニスの全国選抜も中止となり、同大会で昨年準優勝していた沖縄尚学女子の平良和己監督は「選手は全国制覇しようと頑張っていた」と残念そう。「練習が再開されてからも大会はある。気持ちを切り替えさせていきたい」と語った。