沖縄の観光消費額1000億円減少の見通し 新型コロナウイルスで3~5月 減便やクルーズ船寄港中止で入域客減


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 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は4日までに、新型コロナウイルスによる県内観光への影響について、3~5月の見通しをまとめた。クルーズ船の寄港中止や航空路線の減便で、前年の3~5月と比較して観光消費額は1千億円、入域客は150万人がそれぞれ減少すると試算した。新型コロナの影響が長引いた場合は減少幅が拡大する可能性が高く、県経済にとって痛手となる。

 18年度の観光消費額は7340億5600万円で、新型コロナの影響で7分の1程度が減少すると予想している。観光消費額は、外国客が前年同期比396億7900万円減で、国内客は同627億3600万円減になるとみている。OCVBは「少なくとも3月は観光目的の来訪が期待できない」と厳しい見方を示した。

 試算は航空業界やホテル業界への聞き取りを基に算出した。観光客数が3月は前年同月比55%減、4月は同50%減、5月は同40%減になると仮定した。県内で新たな感染者が出なければ、減少幅は小さくなると予測する。

 OCVBは4日、県内の観光事業者などで構成する沖縄観光リカバリープロジェクト委員会の初会合を開き、観光業界の立て直しに向けた対策を話し合った。沖縄観光の魅力発信や誘客プロモーションなど、新型コロナの終息後を見据えた対応策を今後も継続して議論し、骨子案の取りまとめを目指している。

 新型コロナの終息後は世界的に観光客の誘致やプロモーションの競争が激しくなると見込まれ、下地会長は「終息後に向けて、今のうちから準備しておくことが大事だ」と話した。