【名護】新型コロナウイルスの感染拡大が世界規模で進む中、旧厚生省や世界保健機関(WHO)で感染症の研究や対策に取り組んだ経験を持つ根路銘国昭・生物資源研究所所長(80)=名護市=に5日、新型コロナウイルスの特徴や対策などについて聞いた。
―新型コロナウイルスについての分析を。
「中国政府の分析では新型コロナウイルスとして入院した人のうち、実際にウイルスに感染していたのは約3~4割だった。PCR検査(遺伝子による検査法)で新型コロナウイルスでない別種のコロナウイルスを拾っていたのではないかと懸念する」
「新型コロナウイルスだけを検査できる正確で信頼できる検査体制が必要だ。遺伝子的には新型コロナウイルスは4種の系統があり、他国では同時進行的に4種類が流行している」
―季節性インフルエンザなどと比較してどうか。
「現在(取材時)、新型コロナウイルスでの日本国内の感染者は千人規模で死者は数人だ。季節性インフルエンザでは流行すると死者は数千人規模、大流行すると1万人以上になる。季節性インフルエンザに比べると流行規模・死亡者数は小さい」
―学校の休校などについてはどう考えるか。
「国民や政府はもう少し冷静になるべきだ。新型コロナウイルスを怪物化しておびえている。3月は学校にとって締めくくりの時期だ。学校や文化活動を休止することが妥当か胸に手を当てて考えるべきだ」
―感染対策や県民が気を付けることは何か。
「せっけんできちんと手を洗うことや、家庭内で感染者が出た場合には空気を湿らせること、換気を十分にすることなどが必要だ。季節性インフルエンザも含めた対策になる。ウイルスから逃げることはできないので、個人も政治もどう向き合うかを考えていかないといけない」
(聞き手 塚崎昇平)