マスク20万枚不足 沖縄県内の高齢者施設 消毒液は2500リットル不足 


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 新型コロナウイルス感染症の広がりでマスク不足が深刻化する中、県内の高齢者福祉施設のうちマスク不足を訴える事業所からの回答を集計したところ、3月末時点でマスクの不足見込み数が計約20万枚に上ることが9日、分かった。アルコール消毒液は約2500リットルが不足する見通し。県高齢者福祉介護課がまとめた。現状に県内事業所の職員らは「県内で流行が拡大し、必要な時に『ない』ということにならないだろうか」と窮状を訴えた。 

 2月下旬から県内約2千施設を調査し、「不足する」と回答した事業所や関係法人の不足見込み数を合算した。

 那覇市医師会の玉井修副会長は「市内にある高齢者施設だけでも1日5千枚から6千枚は使うと思う。それを県内全体で考えて不足数を見ると、とても深刻な状況だ」と指摘した。

 浦添市の老人施設は職員用マスクの在庫が9日現在、50枚入り26箱のみ。職員数は約100人で1日に2箱を消費し、2週間で底を突く状況という。男性職員は「業者に問い合わせたが入荷のめどが立たないと言う。いつ発注できるのか」と不安げな表情で語った。今後さらなる不足に備え職員への配布分を制限する予定。マスクを洗って再度使用したり、手作りしたりする対策も考えている。

 介護サービスを手掛ける宜野湾市のふれあい介護センターも不足に頭を抱える。定木麻佐美統括マネジャーは「使い方を工夫している。国の示す増産に期待したい」と話した。(上里あやめ、謝花史哲)