「悲鳴に近い声も聞こえてくる」新型コロナで経済団体会議が臨時会議 県内企業の支援強化を進める


「悲鳴に近い声も聞こえてくる」新型コロナで経済団体会議が臨時会議 県内企業の支援強化を進める
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 県内経済12団体で構成する県経済団体会議(石嶺伝一郎議長)は10日、新型コロナウイルス感染拡大への対策を話し合う臨時会議を、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで開いた。感染拡大による観光客の減少やイベント自粛が県経済に打撃を与えている状況を確認した。 

 中小・零細を中心とした県内企業の事業継続に向けて、支援の強化や消費拡大の取り組みを進めることなどを決めた。

 石嶺議長は「観光を中心にさまざまな業界へ新型コロナの影響が広がり、中小・小規模事業者からは悲鳴に近い声も聞こえてくる。影響を最小限にとどめて企業が存続できるように、状況の把握や支援策の周知を進める」と強調した。

 国や県が実施する支援制度の対象外となる企業でも、適切な救済措置が受けられるよう対策を考えるという。消費や旅行需要の落ち込みを回避するための施策推進も検討する。

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長は、9日時点で沖縄発着の国際線は週50便となっており、2019年3月30日時点の230便から大幅減となったことを説明した。下地会長は「月当たりの観光客数が半数以下になる状況が予想される。プロモーションなどを大規模にやらないと、沖縄観光の回復につながらない」と危機感を示した。

 県農業協同組合中央会の嵩原義信常務理事は消費の低迷で和牛の価格が低下し、イベント自粛で花卉(かき)などの出荷が落ち込んでいる状況を報告した。

 海外からの出入国制限が強まると、農業の現場を支える外国人労働者が少なくなる可能性があるといい「農業生産に大きな影響が生じる」と懸念を示した。